IT未経験の新卒がAWS Certified Solutions Architect - Associateを1カ月で取得した話

目次
はじめに
自己紹介
はじめまして、2025年4月に新卒で入社した亀岡です!この度、AWS Certified Solutions Architect - Associate(AWS認定ソリューションアーキテクトアソシエイト)を取得しましたので、その体験談や勉強法を共有させてください。
AWS Certified Solutions Architect - Associateとは
- AWS Certified Solutions Architect - Associate(以下、AWS SAA)は、AWSが提供するクラウドサービスの設計・展開に関する知識とスキルを証明する資格です。
- 12の資格のうち、最も人気で他の資格の足掛かりにもなる汎用性の高い資格......だと亀岡は思っています。
取得前の経歴・背景
まず、執筆者の経歴やバックグラウンドを簡単に紹介します。
- 大学:非情報系理系(電気系)
- 卒業研究でPythonを用いた簡単なプログラミングを経験
- IT業界歴:0年(新卒・インターン経験なし)
- AWS SAA取得時点でのAWS利用経験:なし
- 入社前にAWS Certified Cloud Practitioner(以下、AWS CLF)を取得済み
- AWS CLF取得時の勉強時間:約30時間
受験準備
準備期間
- 6月中旬から7月中旬までの約1ヶ月間で準備しました。
- 平日:平均して5時間程度
- 休日:平均して1時間程度
合計で、約100時間の勉強時間でした。ただ、AWS CLFの土台があったので、一から取り組んでいたら、130時間程度の勉強時間は必要だったと思います。
使用教材
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- AWS SAAの勉強で最も役に立った教材です。800問程度あり、「基礎レベルの問題」→「模擬試験レベルの問題」とステップアップすることで着実に力がつきました。
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- 本番1〜2週間前ほどから取り組みました。解説の丁寧さや誤字脱字の少なさはPing-tに軍配が上がりますが、難易度が高く、最後の腕試しとしては最適でした。
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- 問題を解いていて深掘りしたい知識は、こちらの動画でインプットしました。
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その他YouTubeなどの解説動画
- AWS Black Belt Online Seminarと同じくインプットの教材ですが、サービスの名前や概要を広く浅く扱ってくれるので、最初のとっかかりとしてかなり役立ちました。
勉強の流れ
解説動画で大枠の知識をインプットし、Ping-tでアウトプットを行いながら、浅い知識を深めていく形で学習を進めました。終盤には難易度の高いUdemyの問題集で曖昧な部分や漏れてしまった知識の拾い上げなどの仕上げをしました。
演習問題を解く際に意識したこと
「なぜ他の選択肢が不正解なのかを意識する。逆にどういう問題だったらその選択肢が正解になるのかを考える」
例えば、「Amazon EC2インスタンスを停止・再起動してもデータが消えないストレージはどれか?」という問いがあり、
- 「Amazon EBS」
- 「インスタンスストア」
- 「Amazon S3」
の3択があったとします。(実際は4択ですが、説明の都合上3択にしています。)
- 正解は1の「Amazon EBS」ですが、上記を意識すると以下のように考えられます。
- なぜ正解なのか:
- EBSはEC2とは独立した永続的なブロックストレージであり、インスタンスのライフサイクルとは独立してデータを保持できるため。
- なぜ他の選択肢が不正解なのか:
- インスタンスストアはインスタンスに物理的にアタッチされた一時的なストレージであり、インスタンスが停止するとデータが消えてしまうから。(エフェメラルストレージ)
- S3はオブジェクトストレージであり、OSのファイルシステムとして直接マウントして使用する用途には適していないから。
- 逆にどういう問題だったらその選択肢が正解になるのか:
- 「処理速度が最優先で、データが消えても問題ない一時的なデータを置く場所は?」という問題であればインスタンスストアが正解になる。
- 「静的コンテンツのホスティングやバックアップデータの保存場所として最適なのは?」という問題であればS3が正解になる。
- なぜ正解なのか:
こうすることで、1つの問題に対して複数の知識を習得もしくは確認できるので、効率的に勉強できるよう意識しました。
受験当日
受験予約・会場での注意点
以下の2点は、私自身の失敗談です。
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早めの受験予約
- 私は午前中に受験したかったのですが、予約が埋まっていたので、試験3日前に予約サイトでキャンセル待ちをする羽目になりました。
- また、人気のある会場は、すぐに埋まってしまうため、受験計画が崩れやすくなります。(私は1週間ズレました。)
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署名付きの身分証明書が2点必要
- 私は、運転免許証とクレジットカードを持参しました。しかし、クレジットカードには印字のみで署名がなかったため、身分証明書として認められず、一度自宅まで取りに帰る羽目になりました。(カードの署名欄と名前の印字を同じものだと勘違いしていました。)幸い、会場が自宅から近かったため事なきを得たものの、このような事態を避けるためにも、持ち物は前日までにしっかり確認しておくことをお勧めします。
問題を解く際に意識したこと
私は以下の手順で問題を解きました。
- 試験時間の前半で、まず65問すべてに目を通し、解答します。
- 次に、約20分かけて全体を見直します。その後、複数選択問題で指定された数の回答を選んでいるかなどを確認しつつ、各問題の自信度に応じて以下の3つに分類します。
- 確信あり:絶対に正解している
- 2択で迷う:選択肢を2つまで絞り込めた
- 自信なし:3つ以上の選択肢で迷っている、または全く分からない
- 最後に、2.で分類した「2択で迷う」問題を中心に見直しを行います。「自信なし」の問題には時間をかけすぎず、AWSのベストプラクティスを念頭に置きながら、直感で回答します。
- ほとんどの問題は、4つの選択肢の中から2つまでに絞り込めます。そこまで絞れれば、あとは勘で選んでも50%の確率で正解できます。そのため、私は「自信なし」の問題に時間を割くよりも、「2択で迷う」問題を重点的に見直すようにしました。
感想
結果
受験当日の夜にスコアは発表されていました。
- 764/1000点で一発合格でした!(合格点はおおよそ720点)
印象に残った問題・苦戦した問題
- AIに関する問題が出題されていました。おそらく最近追加された問題で、当時(2025年6月時点)の使用教材の内容からは漏れていました。
- システム同士の疎結合(Amazon SNSやAmazon SQSなど)に関する問題が多かった印象です。
これから取得しようとしている方へのアドバイス
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AWSのサービスは日々更新されているので、最新の情報を追うことが大切です。特にAI関連の問題は今後、増えてもおかしくないなと感じました。
- AWSの公式ドキュメントのAI関連のサービスは一度目を通しておくといいかもしれません。
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最初にAWS SAAを取得する自信がなければ、AWS CLFからのステップアップをおすすめします。AWS SAAの知識はAWS CLFの知識から深掘りしたような印象です。
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試験問題65問のうち、15問は調査用の問題でスコアに影響しません。分からない問題が大量にあったとしても、落ち込まずに、最後まで挑戦してみましょう。
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常に意識すべきはAWSのベストプラクティスです。特に、コスト最適化、セキュリティ、信頼性、パフォーマンス効率、運用上の卓越性の5つの柱を理解していると、分からない問題でも選択肢が絞れることがあります。
さいごに
AWS SAAの資格勉強ではありましたが、非情報系の出身としては同時にIT業界への理解にも繋がったと感じています。どんなWebサービスでも土台はインフラであるので、インフラを理解することはエンジニアとして非常に重要だと思います。これからもAWSを中心に学習を続けていきたいです。
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