略語を略語のままにしない仕事術

目次
はじめに
※本記事は主に新入社員の方や新規案件に参画する方をターゲットとしています。
皆さんは略語を略語のまま、理解していませんか。
特に問題があるわけではありませんが、筆者は極力、正式名称を確認するようにしています。
なぜ筆者が略語を略語のままにしないのか、本記事でご紹介したいと思います。
略語の事例
皆さんが聞きなじみのある略語として、以下のようなものがあるかと思います。
略語 | 意味 | 正式名称 |
---|---|---|
AWS | Amazon社が提供するクラウドサービスの総称 | Amazon Web Service |
API | 異なるソフトウェアを連携させるためのインタフェース | Application Programming Interface |
EC2 | AWSで提供されている仮想サーバのサービス | Elastic Compute Cloud |
RDBMS | データをテーブル形式で管理し、関連付けるデータベースの管理システム | Relational Database Management System |
比較的よく使われているサービスやシステムであるため、
略語だけを覚えていれば、特に問題なく伝わるかと思います。
略語クイズ
では、いきなりですが、略語クイズです。
以下の略語は何を意味しているでしょうか。
略語 | 意味 | 正式名称 |
---|---|---|
GUI | ? | ? |
ISP | ? | ? |
TLD | ? | ? |
MAU | ? | ? |
意味や正式名称はわかりましたか。
「なんか聞いたことあるけど、なんだったっけ。」という方、
「そもそも聞いたことがない、わからない!」という方がいるかもしれません。
ではここで、正式名称だけを確認してみましょう。
略語 | 意味 | 正式名称 |
---|---|---|
GUI | ? | Graphical User Interface |
ISP | ? | Internet Service Provider |
TLD | ? | Top Level Domain |
MAU | ? | Monthly Active Users |
先ほど「なんだったっけ。」と思った方はピンときましたか。
「わからない!」の方はもしかすると推測できるのではないでしょうか。
それでは、それぞれの略語の意味を見ていきましょう。
略語 | 意味 | 正式名称 |
---|---|---|
GUI | ユーザーが直感的にコンピュータを操作するためのインターフェース | Graphical User Interface |
ISP | インターネット接続サービスを提供する事業者 | Internet Service Provider |
TLD | ドメイン名の最後の部分(.com、.net、.jp など) | Top Level Domain |
MAU | 1ヶ月間にWebサイト、アプリ、オンラインサービスなどを利用したユーザーの数 | Monthly Active Users |
皆さんの思い浮かべた意味や正式名称はあっていましたか。
もしくは正式名称から推測できましたか。
このクイズからわかることを次のセクションで記載します。
略語クイズからわかること
このように正式名称を覚えることは「知識の補完」であったり、
「意味の推測」という面で非常に強力な効果を発揮します。
筆者はこの「意味の推測」を活用して、略語から正式名称を予測し、
円滑なコミュニケーションや知識の定着に役立てています。
具体的な例を紹介しましょう。
会議中に以下のような略語が出てきたとします。
「A君はB社のサイトのCMSの作成をお願いします。」
「C君はB社のサイトのWAUを調査してください。」
これらの略語を皆さんが知らないと仮定したとき、
「何を言ってるんだろう。」と思考停止してしまうよりは、
「前後の文脈から読み解いてみよう。」と推測する方が建設的です。
(少なくとも筆者は推測してみています。)
CMSは「MS」がついているので、これが「Management System」だと仮定すると、
「C Management System」、Cは「Customer」、「Content」、「Client」などが考えられます。
WAUはMAUと同じく「W Active Users」だとすると、「Weekly」ではないかと推測できます。
この推測をした上で、先ほどの会議の略語を振り返りましょう。
A君は何らかの管理システムを作成しようとしているのではないか、
C君は週間のアクセス数の調査をしようとしているのではないか、となります。
この推測が正しければベストですが、仮に間違えていても問題ありません。
考えて、自分なりに出した結論が間違えていたとしても、
正式名称と意味を改めて確認することで、より記憶に残りやすくなるからです。
(例えば正解がCMSは「Call Module Service」、意味は「通話媒体を作成するサービス」などであった場合、
「この案件では一般的なCMS(Contents Management System、Webサイトコンテンツ管理システム)以外に
Call Module Serviceとして、略されるケースもあるのか」と再確認できます。)
略語違いの認識齟齬をなくす
ここまでは略語の正式名称を知ることを「推測する手段」として紹介しましたが、
このセクションでは「同じ略語で別の意味を持つもの」について記載します。
例えば「SES」と聞いたとき、何を思い浮かべるでしょうか。
筆者は「Simple Email Service」(AWSのメール送信サービス)が一番に思いつきますが、
「System Engineering Service」(エンジニアの技術力や専門スキルを提供するサービス)が
世間一般的には思い浮かべられるかと思います。
(例えば「このシステムの一部はSESで構築しましょう」という発言があった場合、
SES契約でシステムを構築してもらう、システムのメール部分をAWS SESで構築する、のどちらの意味にも取れます。)
同じ略語でも違う意味を持つものがあり、混同しても違和感がないことがあるため、
正式名称で区別することが重要になります。
一般的に通っている略語ではないパターン
これは企業名や企業特有のシステムなどで用いられるパターンです。
一般的に「AQ」は「Adversity Quotient」(逆境指数)、
「CI」は「Continuous Integration」(継続的インテグレーション)の略として知られていますが、
当社内では「AQ」は「アジアクエスト」、「CI」は「クラウドインテグレーション」の略として使われることもあります。
このように、自社や特定の範囲内で使われる略語が、世間一般の略語とは異なる意味を持つことがあります。
そのことを意識し、何を指す略語かをしっかりと把握しておくことが、
誤解を防ぎ、スムーズなコミュニケーションを築くために重要と言えます。
最後に
略語は便利ですし、皆さんも使う場面は多々あると思いますが、
「その本質は何か」という部分に触れる機会は、意識しなければあまりありません。
本記事を読むことで、略語に向ける意識を変えて、「どのような正式名称なのか」、
「どのような意味を持っているのか」を捉え、入社・案件参画に際する「分からない略語対策」として役立つと幸いです。
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