コンテナの基礎からはじめるECS ☓ CDK

コンテナの基礎からはじめるECS ☓ CDK

目次

    はじめに

    クラウドインテグレーション部の渡邊です。
    コンテナ、ECS、CDKに関連する登壇を先日行ったため、記事にまとめました。
    各内容の基礎から、部分的ではありますがベストプラクティスまで説明しているため、ぜひご覧ください。

    まとめ

    • コンテナとは、OS内で仮想化されたアプリケーションの実行環境
    • コンテナの特徴は軽量性、再現性、隔離性、拡張性
    • ECSとはコンテナ用オーケストレーションサービスで、クラスタ、タスク定義、サービス、タスクで構成される
    • CDKとは、プログラミング言語を用いてクラウドインフラをコードで定義し、CloudFormationによってデプロイできる開発フレームワーク
    • CDKはApp、Stack、Constructで構成される

    ECS

    コンテナについて

    コンテナとは、OS内で仮想化されたアプリケーションの実行環境で、コンテナエンジンを用いて動かす仮想化技術のひとつです。
    OSの上にあるコンテナ管理ソフト(コンテナエンジン)でコンテナを管理します。
    202406_ecscdk_01コンテナの特徴は主に以下4つです。

    • 軽量性・・・ホストOSのカーネルを共有するため、仮想マシンよりも素早い起動や効率的なリソース利用が可能。コンテナはプロセスであるため仮想マシンと比べ起動時間が短い
    • 再現性・・・コンテナにはアプリケーションとその依存関係がパッケージ化されているため、異なる環境(開発環境、テスト環境、本番環境)で一貫した動作が可能。ローカルから実環境への適用においても優れている
    • 隔離性・・・異なるコンテナが独立して動作し、互いに影響をあたえることなく動作するため、ユーザーは異なるアプリケーションやサービスを同一ホスト上でセキュアに実行可能である
    • 拡張性・・・動的なスケーリングでスケーラビリティが向上。オーケストレーションツール(Amazon ECS、Kubernetes)の使用で効率的に管理可能である


    Dockerについて

    Dockerとは、軽量で高速に動作するコンテナ型仮想環境用プラットフォームのことで、コンテナを動かすためのコンテナエンジンです。
    Dockerコンテナが完成するまでに以下の過程を経ます。

    ①DockerイメージのオンラインレジストリであるDockerHubからベースイメージを取得する(DockerFileにベースイメージの情報を記載する)
    ②コンテナの設計書にあたるDockerfileの情報をもとに、Dockerイメージを作成する
    ③Dockerレジストリへイメージをプッシュ、またはローカルにコンテナを起動する
    ④Dockerレジストリへイメージをプッシュした場合、イメージに基づいて任意のプラットフォームでコンテナを起動する
    202406_ecscdk_02Dockerイメージ(コンテナイメージ)は変更差分のあるイメージレイヤーの集合のことです。
    ベースイメージの指定に加え、ファイル追加やパッケージのインストールなど実行したい内容をDockerfileに記載し、Dockerイメージを構成します。202406_ecscdk_03

    Amazon ECSについて

    ECSとはコンテナ化されたアプリケーションのデプロイ、管理、スケーリングを簡素化するためのオーケストレーションサービスです。
    機能として、デプロイ、スケーリング、ネットワークロードバランシングなどが挙げられます。
    複数のコンテナに対して、コマンドを実行する必要がなく、運用管理が楽になります。

    ECSの構成要素は主に4つです。

    ①クラスタ

    • コンテナを動かすための論理的なグループ
    • 複数のタスクが配置され、それぞれ独自のコンテナを実行

    ②タスク定義

    • ECSタスクの実行に必要な情報を定義(コンテナイメージ、CPUおよびメモリのリソース制約、ネットワーク設定など)
    • タスク定義は複数のコンテナを含むことができる
    • 障害などでタスクが停止してもサービスで指定した数に基づいて再作成される
    • 編集できないのでリビジョンでバージョン更新する

    ③サービス

    • 一連のタスクを実行およびスケールする方法を定義
    • サービスは特定のタスク定義を使用し、指定された数のタスクを起動および維持
    • ELBと連携可能
    • 起動タイプ(EC2、Fargate)を設定

    ④タスク

    • タスク定義に基づいて起動されるコンテナ群
    • タスクは1つ以上のコンテナから構成される
    • タスク内コンテナは同一ホスト上で実行される

    ECSと関連の深いサービスとしてECRが挙げられる。
    ECRはDockerイメージの保存場所で、タスク定義でイメージレジストリを参照する。
    ECRは脆弱性のスキャン、イメージの暗号化機能を提供している。202406_ecscdk_04

    ECSの実行環境として、EC2またはAWS Fargateを選択できる。
    これらを使用してコンテナをホストするクラスタを管理する。

    ECS on Fargateは、ECS on EC2と比べると利用者の責任範囲が小さい分、リソースの詳細な設定ができない。
    しかし、サーバレスであるためシンプルな運用が可能。202406_ecscdk_05

    CDK

    CDKとは、プログラミング言語を用いてクラウドインフラをコードで定義し、CloudFormationによってデプロイできる開発フレームワークのことです。 メリットとしては、手順書の省力化、テストの自動化による開発スピードの向上、手動による操作ミス防止などが挙げられます。

    CDKはApp、Stack、Constructで構成されてます。
    App > Stack > Construct という包含関係があるため、1つのAppに複数のStack、1つのStackに複数のConstructが含まれます。

    App・・・構成のエントリポイント
    Stack・・・Cloudformationスタックを表現する入れ物
    Construct・・・具体的なAWSリソースを作成202406_ecscdk_06

    CDKのベストプラクティス

    AWS CDKでクラウドアプリケーションを開発するためのベストプラクティスをベースにCDKのベストプラクティスを記載しております。

    • コードを管理するためのベストプラクティス
      • すべてのアプリケーションは、1つのリポジトリにある1つのパッケージから始める
        • デプロイ時の影響範囲が小さくなるため
      • コードのライフサイクルやチームの所有権に応じてリポジトリに分割する
      • インフラストラクチャコードとアプリケーションコードを同じパッケージにする
        • テストやプロジェクト間共有などが容易になるため
    • Construct ライブラリ
      • StackではなくConstructでアプリをモデル化する
      • 環境変数ではなく、API (プロパティ、メソッド) で設定する
      • インフラストラクチャのユニットテスト
      • ステートフルリソースのスコープとIDを変更しない
      • コンプライアンスのためにConstructを使わない
    • CDKアプリ
      • デプロイ時ではなく、合成時に決定する
      • 自動で生成されるリソース名を使用し、物理的な名前を使用しない
      • デプロイ要件に応じて、アプリケーションのStageを複数のStackに分割する
      • AWS CDKでロールとセキュリティグループを管理できるようにする
      • 全てのStageをコードでモデル化する
      • 全てを測定する

    【参考】
    Boost your infrastructure with the AWS CDK
    Container technology terminology
    Docker入門(第四回)~Dockerfileについて~

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