Slackチャンネル作成時の誤招待を防止!kickflow×Zapierによる自動化フローの構築事例

目次
はじめに
こんにちは、情報システム部の丸山です。
この記事では、Slackと社内ワークフローサービス(kickflow)およびiPaaS(Zapier)を組み合わせて、Slackチャンネル作成時の人的ミスを軽減する仕組みを作った話を紹介します。
アジアクエストでは、Slackが社内コミュニケーションの中心となっています。
Slackを利用している企業で、同様の課題を抱えている方のヒントになれば幸いです。
経緯
弊社の人事労務を担当する総務部門では、特定従業員+上長ラインというプライベートチャンネルを作成する機会があります。
例えば「丸山さん体調不良による休職向け対応」といったSlackチャンネルで、上長/総務が相互にコミュニケーションを取るようなイメージです。
一方、このような特定の関係者に制限すべき情報において、以下のような作業ミスが怖いと総務の部門長より相談を貰っていました。
- プライベートで作るべきチャンネルを、パブリックで作成してしまう
- メンバーの招待時、Slackサジェスト機能の影響で誤って同姓の従業員を招待してしまう
アジアクエストでは従業員400名以上、ゲストの取引先も含めるとさらに多いユーザが、同一Slackワークスペースに存在しています。
同姓が多いどころか、同姓同名の従業員もいます。
このような環境下では、Slackのチャンネル作成時のUIが該当業務に向いていないと思い、
Slackを使わずにチャンネル作成をする手段を提供しようという判断に至りました。
機能紹介
社内ワークフローのkickflowをSlackチャンネル作成のUIに選定し、「Slackチャンネル作成補助フロー」というフローを新設しています。
フローの完了時にZapier経由でSlack APIを呼ぶ構成とすることで、kickflow上で指定した従業員が参加したSlackプライベートチャンネルが作成されます。
以下で詳細を述べます。
従業員の利用方法
1. 招待する従業員を指定
まずkickflowの申請フォーム(チケット)で、チャンネルに招待したい従業員を指定します。
ユーザ選択欄をクリックすると、従業員を検索できる画面が表示されます。
この検索画面では、以下のいずれかの方法で簡単に従業員を選択できます。
- 名前
- メールアドレス
- 社員番号
- 所属部署
社員名簿を開かずとも正確に従業員を選択できるため、誤招待を防ぐことが可能です。
2. 承認プロセス
次にチケットを申請者自身が承認します。
また、必要に応じて他の従業員を承認者として追加することも可能です。
以下は承認画面の例です。
招待するメンバーをマウスオーバーすると、以下のような情報が表示されます。
ここで表示されるのは以下の情報です。
- 名前
- 社員番号
- メールアドレス
- 所属部署
これにより、承認者は適切なメンバーが招待されているかを正確に確認できます。
誤ったメンバーが選択されていた場合は、申請者に差し戻し可能です。問題がなければ承認します。
申請後の流れ
申請が完了すると、以下の流れで処理が進みます。
このプロセスの自動化部分において、Zapierが以下の作業を行います。
- プライベートチャンネルの作成
- チケットで指定されたユーザをチャンネルへ自動招待
機能のポイント
- 機密性の担保:チャンネルは常にプライベート設定で作成されるため、誤設定による情報漏洩リスクを防ぎます。
- 従業員の指定が簡単:メールアドレスや社員番号を使用し、入力ミスや漏れが起こりにくい仕組みです。
- 承認プロセスの統合:上長や関係者の事前承認を簡単に組み込めるため、ガバナンス強化にもつながります。
導入後の風景
この仕組みの導入後、毎月約20件ほど継続的な利用が続いています。
要望のあった総務部門以外でも、バックオフィス部署を中心に広く利用されているようです。
実際にSlackチャンネル作成補助フローを利用した社員からも好評です。従業員からは以下のようなコメントをいただいています。
導入時はどの程度使われるか未知数でしたが、思いのほか現場ニーズがあったようで良かったです。
今後も運用状況を継続的に観察し、さらなる改善を進めていきたいと思います。
今回の取り組みが、Slackの活用に課題を感じている方の参考になれば幸いです。
最後に:情シスとしてのメッセージ
私は、アジアクエストの情シスの仕事もプライベートも心から楽しんでいます。
仕事とプライベートがバランスよく充実できているのは、チームが安定しているからだと感じています。
たとえば最近、私は二児のパパとなり、この記事が公開される頃には、半年間の育休を取得予定です。
これは、安心してお休みを取れる環境と、信頼できる仲間がいるからです。
私のようなメンバーが一定期間業務から離れても、業務影響を最小限に抑えられる安定したチーム作りを行うことが重要だと考えています。
そのためにも、互いに支え合える体制を整え、一緒に働く情報システム部門のメンバーを増やしていきたいと考えています。
ご興味のある方は、ぜひ以下のリンクからお気軽にお問い合わせください。
アジアクエスト株式会社では一緒に働いていただける方を募集しています。
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