こんにちは。 クラウドインテグレーション部クラウドソリューション3課の安藤です。
先日、AWS Japan社協力の弊社主催イベント「AWSにおけるAIエージェント関連サービスの概要とユースケースの紹介」が開催されました。
このイベントでは、近年めざましい進化を遂げるAIエージェントを題材に、AWS Japan社からパートナーソリューションアーキテクトの廣岡佑哉氏をお招きし、AWSにおけるAIエージェント関連のサービスの紹介をしていただきました。
また、弊社からは2025 Japan AWS Jr.Championsとして活動している矢内碧人さんと足立和生さんの2名が、AIエージェントの活用事例を紹介しました。
今回は、このイベントの様子をお伝えしていきます。
イベント名:[AWS社協力]AWSにおけるAIエージェント関連サービスの概要とユースケースの紹介
日付:2025/10/15(水) 19:00~20:30
場所:オンライン
スケジュール:
| 時間 | 内容 | 登壇者 |
|---|---|---|
| 19:00~19:10 | ご挨拶 | 運営 |
| 19:10~19:50 | AWSのAIエージェント関連の取り組みとサービス紹介! | AWS Japan パートナーソリューションアーキテクト 廣岡 佑哉 氏 |
| 19:50~20:05 | 独学と生成AI活用によるコーディング学習効果の比較 | アジアクエスト株式会社 矢内 碧人 さん |
| 20:05~20:20 | Strands Agentsで始めるAIタスク管理 | アジアクエスト株式会社 足立 和生 さん |
| 20:20~20:30 | Q&A・アンケート等 | 運営 |
本セッションでは、AIエージェント技術の概要から始まり、AWSで提供する最新のAIエージェントサービスについて紹介されました。
従来の生成AIがユーザーからの質問に対して回答を返す一問一答形式であるのに対して、AIエージェントでは、ユーザーが設定した目標に対して自律的に必要な行動を考え、実行することができます。
近年では、自動車、金融、エネルギー業界など、あらゆる業界でAIエージェントの活用に乗り出している注目の技術です。
AWSでは、AIエージェントを構築するための最適な場所を提供するために、「Amazon Q Developer」「Kiro」そして「Amazon Bedrock AgentCore」といったサービスが提供されています。
Amazon Q Developerは、AWS知識に精通したAIエージェントです。従来のコーディング支援を超えて、すべてのプラットフォームでエージェンティックに動作し、コーディング以外の様々なタスク処理も可能です。開発者がより本質的な開発作業に集中できる環境を提供しています。
Kiroは仕様駆動開発の概念を体系化したAI IDE(統合開発環境)です。大規模プロジェクトでのAI開発における、スケールの問題、コントロールの限界、コードの品質という課題を解決します。
仕様駆動開発では、まず要件定義を明確化し、その後技術設計、タスク管理という段階的なプロセスを通じてユーザーとの認識合わせを重視しています。この手法により、プロジェクトの規模が大きくなってもコンテキストを維持し、統一的な開発管理が可能になります。また、ファイル操作などのイベントを検知して定義済みプロンプトを自動実行するエージェントフック機能により、開発ワークフローの効率化を実現しています。
Amazon Bedrock AgentCoreは、任意のフレームワークやモデルを使用してAIエージェントを構築・デプロイ・運用できるマネージドプラットフォームです。このサービスは、エージェントを安全かつ大規模に展開することを目的として設計されています。
AWS公式:Amazon Bedrock AgentCore
AgentCoreは、エージェント実行のためのマネージドコンピュートサービス、認証・セキュリティ機能、外部システム連携のためのMCP変換機能、会話履歴やユーザー情報の保存機能、そして包括的な監視・可視化機能を統合的に提供します。これにより、開発者はインフラ管理の複雑さから解放され、エージェントのビジネスロジックに集中することができます。
AgentCoreはこのイベントのわずか2日前に一般提供が開始されたばかりの最新のサービスだと聞き、AIエージェントの開発がとても身近な存在になっていることに衝撃を受けました。
AIの活用例紹介として、プログラミング言語をAIを使わずに独学で学習をする場合と、生成AIを活用して学習する場合について、比較検証した話が紹介されました。
独学では「最初に何から学習すればいいのかがわからない」ことが難しさとして挙げられ、学習時間の多くを基礎理解や調査に費やしてしまったものの、課題解決の達成感やモチベーションは高く維持できました。
一方、生成AIを活用した学習では、理解度に合わせて効率的に学習を進めることができた反面、ハルシネーションによる間違った情報や、問題のヒントを聞いたにもかかわらず解答を教えられてしまうなどの難点がありました。
このセッションでは、生成AIを活用した学習手法が従来の方法と比べてどのような違いがあるのか、実際に検証することで体感したそれぞれの利点欠点が紹介されました。
プログラミング経験者の私からしても、検証で感じた学習の難しさには強く共感できることが多くありました。
特に現在の理解度に合わせた学習の進め方は、対話内容を踏まえた情報のアウトプットを可能とするAIならではの利点であり、自分1人で調べながら学習するよりも大幅に理解につながりやすい学習手法だと感じました。
このセッションでは、AWSがオープンソースで公開しているAIエージェント構築用SDK「Strands Agents」を活用したタスク管理の課題解決事例について紹介されました。
解決したい課題として挙げられたのが、プロジェクトの現場においてよく発生する「タスク定義の曖昧さ」です。
目的や優先順位、期限設定など、タスクの明確な定義ができていないことで認識のズレが発生していました。
そこで構築したのが、議事録から課題を自動抽出・分解し、適切な粒度でのタスク起票(Backlog連携)を行うAIエージェントです。
不足する情報はヒアリングを取り入れることで、情報粒度を揃えたタスクの定義を可能とするAIエージェントが構築できました。
このセッションを聞いて特に印象に残ったのが、これらの機能を実現するAIエージェントがわずか100行程度のコードで実装されたということでした。
今回AIエージェント開発に使用されたStrands Agentsでは、AIエージェントの構築や運用を簡単に実現する様々なフレームワークが提供されています。
そのため、難しく感じられるAIエージェントの開発も少ない負荷で実現することができたそうです。
AIといえば、学習モデルの構築や学習、推論の入出力をアプリケーションと連携など、システムとして構築する難易度はかなり高いという認識が私の中にはあったため、これだけ手軽にAIエージェントが構築可能であることに、技術の進化を感じ強い衝撃を受けました。
今回のイベントに参加したことで、AIエージェント技術が想像以上に身近で実用的な技術であることを実感しました。
私自身も、技術の自己学習やタスクやスケジュールの管理に日頃から悩むことがよくあったので、今回紹介されたAI活用術の恩恵を強く理解できました。
加えて、AIエージェント開発に必要な環境が提供されるAmazon Bedrock AgentCoreを学べたことで、AIエージェント開発に対する技術的なハードルが大きく下がったと感じています。
このイベントから、AIの活用はとても手軽かつ身近な課題から始められることがわかりました。
私も今後、資格試験の学習や業務でのタスク管理など、小さなところからAIを取り入れていき、将来的には、AIだからこそ実現できる新しい価値創造にも挑戦していきたいです。