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超簡単!slick.jsで魅力的なスライダーを作る方法【jQuery活用】

作成者: takahiro.matsudaira|2024年09月12日

はじめに

この記事は、画像や動画の切り替えに使用されているslick.js(以下、slick)の基本的な使い方や、その応用を簡単且つ直観的に学べます。
実際に記事の内容に沿って進める事で、色々試すことができるのでぜひ試してみてください。
以下画像は、slickで作られた機能が載っている画面の例です。

まず、slickって何?

 jQueryベースの、スライダーを作成するためのプラグイン 」です。
以下のような特徴があり、初心者~上級者まで世界中で多くの方に利用されています。

  • オプション(カスタム)が豊富
  • レスポンシブ対応されている(デバイスに応じた見せ方が可能)

※jQueryとは、皆さんお馴染みフロントエンド開発の登竜門、JavaScriptのライブラリです。
 JavaScriptコードをより簡単に書けるように設計されたもので、現在でも多くのWebアプリケーションで利用されています。

さっそく、実際に使ってみよう!

やり方1-初心者向け(超簡単)

以下のソースコードをコピーし、Visual Studio Codeなどのソースコードエディタでhtmlファイルを作成し、ペーストしましょう。
具体的なslickに関する説明は、以下の通りです。

  • jQueryとslickをCDNから読み込み、使用できるようにする。(最新バージョンを使用)
  • $(セレクタ).slick({オプション});をjQueryで実行する事で、セレクタの子要素がスライドできるようになる。
  • セレクタの子要素が複数(2つ~)ない場合、スライドできるようにならない。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">

<title>Slick Slider Example</title>

<!-- SlickのCSSをCDNから読み込む -->
<link rel="stylesheet" href="https://cdnjs.cloudflare.com/ajax/libs/slick-carousel/1.8.1/slick.min.css">
<link rel="stylesheet" href="https://cdnjs.cloudflare.com/ajax/libs/slick-carousel/1.8.1/slick-theme.min.css">

<!-- カスタムCSSを読み込む -->
<style>
/* スライダーの次へ/戻る ボタンを見やすくするため */
body {
background: skyblue;
}

/* スライダーのスタイル */
.slider {
width: 80%;
margin: 50px auto;
}

.slider img {
width: 100%;
border-radius: 10px;
}
</style>

<!-- jQueryをCDNから読み込む -->
<script src="https://code.jquery.com/jquery-3.7.1.min.js"></script>

<!-- slickのJavaScriptをCDNから読み込む -->
<script src="https://cdnjs.cloudflare.com/ajax/libs/slick-carousel/1.8.1/slick.min.js"></script>

<!-- カスタムJavaScriptを追加 -->
<script>
$(function(){
// sliderクラスに対して、slickを初期化する。(autoplay等のオプションは、記述しない場合デフォルト値になる。)
$('.slider').slick({
// スライドの自動再生を有効にする (デフォルト値: false)
autoplay: false,

// 自動再生のスピード(ミリ秒単位) (デフォルト値: 3000)
autoplaySpeed: 3000,

// スライドのナビゲーションにドットを表示 (デフォルト値:false)
dots: false,

// スライドのナビゲーションに矢印を表示 (デフォルト値:true)
arrows: true,

// スライドの切り替え時にフェード効果を使用 (デフォルト値:false)
fade: false,

// スライドの切り替えにかかる時間(ミリ秒単位) (デフォルト値: 300)
speed: 300,

// スライダーの項目を一度に表示する数 (デフォルト値: 1)
slidesToShow: 1,

// スライダーの項目を切り替える際にスライドする数 (デフォルト値: 1)
slidesToScroll: 1,

// スライダーがリサイズする際に自動的に調整 (デフォルト値: false)
adaptiveHeight: false,

// スライダーが最初に表示されるインデックス(0から始まる) (デフォルト値: 0)
initialSlide: 0,

// スライダーがループするかどうか (デフォルト値: true)
infinite: true, // falseにすると、スライダーが終わってもループしない

// スライダーのアイテムが画面に収まるように調整 (デフォルト値: false)
centerMode: false, // trueにすると、現在のスライドを中央に配置

// スライダーをレスポンシブにするための設定 (デフォルト値: 空配列(レスポンシブ設定なし))
responsive: [
// {
// breakpoint: 768, // 768px以下のスクリーン幅に対する設定
// settings: {
// slidesToShow: 2,
// slidesToScroll: 2,
// dots: true
// }
// },
// {
// breakpoint: 480, // 480px以下のスクリーン幅に対する設定
// settings: {
// slidesToShow: 1,
// slidesToScroll: 1,
// dots: true
// }
// }
]
});
});
</script>
</head>

<body>
<!-- sliderクラス内に画像を配置 -->
<!-- $('.slider').slick({});をjQueryで実行することで、sliderクラスの子要素(childクラス)がスライドできるようになる。 -->
<div class="slider">
<div class="child"><img src="https://via.placeholder.com/600x300?text=Image+1" alt="Image 1"></div>
<div class="child"><img src="https://via.placeholder.com/600x300?text=Image+2" alt="Image 2"></div>
<div class="child"><img src="https://via.placeholder.com/600x300?text=Image+3" alt="Image 3"></div>
<div class="child"><img src="https://via.placeholder.com/600x300?text=Image+4" alt="Image 4"></div>
</div>
</body>
</html>

ブラウザ表示させると、以下のような画面が表示されます。
※読込に少し時間がかかる場合があります。

 

やり方2-中級~上級者向け(実務レベル)

  1. まずはjQueryとslickをダウンロードしよう

    • jQuery公式ページの、Download jQuery..を右クリック⇒名前を付けてリンク先を保存 をクリック

    • slick公式ページの、get it nowタブをクリック⇒Download Nowをクリック 

  2. ダウンロードしたファイルを、プロジェクト内の好ましい位置に配置

  3. slickを読み込みたい画面のファイル内で、配置したjQueryとslickを読み込む

    • slick.jsの機能やメソッドはjQueryの機能に依存しているため、slick.jsを使用する前に必ずjQueryを読み込む必要があります。
      そのため、必ずjQuery⇒slickという順で書いてください。
      <script src="/jquery-3.7.1.min.js"></script>
      <script src="/slick.min.js"></script>
  4. HTMLでスライドを行う要素を記述(例)

    <div class="セレクタ">
    <!-- この中の要素がスライダー表示される -->
    <div class="child"><img src="https://via.placeholder.com/600x300?text=Image+1" alt="Image 1"></div>
    <div class="child"><img src="https://via.placeholder.com/600x300?text=Image+2" alt="Image 2"></div>
    <div class="child"><img src="https://via.placeholder.com/600x300?text=Image+3" alt="Image 3"></div>
    <div class="child"><img src="https://via.placeholder.com/600x300?text=Image+4" alt="Image 4"></div>
    </div>
  5. セレクタの子要素が複数ある事を確認し、jQuery(JavaScript)でスライダー初期化処理を記述

    $('セレクタ').slick({
    // slickのオプションをここに追加
    autoplay: true, // 自動再生
    autoplaySpeed: 2000, // 自動再生の間隔(ミリ秒)
    dots: true, // ドットナビゲーションの表示
    arrows: true // 矢印ナビゲーションの表示
    })
  6. 画面を確認して、問題なく表示されれば完了です!

slickで使用される、便利なイベントとメソッド

$(function(){
// slick初期化
$('#slider').slick({
// 自動再生有効化
autoplay: true
});

$('#slider')
// スライドが変更される直前に発火
.on('beforeChange', function(event, slick, currentSlide, nextSlide) {
// currentSlide: 現在のスライドのインデックス
// nextSlide: 次に表示されるスライドのインデックス
})

// スライドが変更された後に発火
.on('afterChange', function(event, slick, currentSlide) {
// currentSlide: 現在表示されているスライドのインデックス
})

// スライダー初期化時
.on('init', function(event, slick) {
// slick: スライダーオブジェクト
})

// スライダー再初期化時
.on('reInit', function(event, slick) {
// slick: スライダーオブジェクト
})

// ブレークポイントに達した時
.on('breakpoint', function(event, slick, breakpoint) {
// breakpoint: 適用されたブレークポイントの値
})

// スライダーの位置が変更された時
.on('setPosition', function(event, slick) {
// slick: スライダーオブジェクト
})

// スライダーがスワイプされた時
.on('swipe', function(event, slick, direction) {
// direction: スワイプされた方向 ('left', 'right', 'up', 'down')
})

// 遅延ロードされた画像が読み込まれた時
.on('lazyLoaded', function(event, slick, image, imageSource) {
// image: 読み込まれた画像要素
// imageSource: 画像のソースURL
});

// 要素をスライダーに追加
$('#slider').slick('slickAdd', 要素);

// 指定したスライドを削除
$('#slider').slick('slickRemove', インデックス);

// 次のスライドに移動
$('#slider').slick('slickNext');

// 前のスライドに移動
$('#slider').slick('slickPrev');

// 自動再生を一時停止
$('#slider').slick('slickPause');

// 自動再生を再開
$('#slider').slick('slickPlay');

// オプションを動的に変更(optionをvalueに変更。refreshはbool値で、スライダーを完全に再初期化するか否か。)
$('#slider').slick('slickSetOption', option, value, refresh);

// スライダーを初期化解除
$('#slider').slick('unslick');
});

さいごに

スライダーを作りたいけど、難しそう。何から始めればいいか分からない。 という方から、
スライダーは作成できたけど、イベントなど応用的な使い方がよく分からない。という方まで、
幅広く参考になればと思いslickの使い方を説明しました。

オプションやイベントの組み合わせ次第で、多種多様なスライダーを作成する事ができますので、
ぜひ自分のサイトや実務など、様々な場所で活かしていただけると幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

※もっと知りたい方は、slick公式サイトで確認してみてください。(ソースコードや画像切り替えを確認できます。)