サービスデザイン課の花井です。
今回は、2024年1月に開催された「Service Design Camp 2024」のイベントレポートです。
Service Design Campは2023年から開催されている「初心者から実践者までみんなが楽しめるサービスデザインフェス!」です。
ワークショップ形式の実践的な学びを通して、サービスデザインやサービスデザインに関わっている人たちと交流ができるイベントです。
今回初めての参加でしたが、とても楽しいイベントだったのでイベントレポートという形で紹介させてもらいます。
サービスデザインについては過去に記事を書いておりますのでそちらも併せて読んでいただけると嬉しいです。
ちいさく始めるサービスデザイン -概要とその考え方-
タイムスケジュール(公式サイトより引用)
私は、オープニングセッションから懇親会まで参加しましたが、どのセッションもとても学びが多かったです。
ワークショップについては、それぞれ4つの中から1つを選んで参加する形式だったため、今回は私が参加したワークショップのみご紹介します。
クロージングセッションでは各ワークショップのファシリテーターの方によるクロストークがあったため、他のワークショップの概要も知ることができました。
どのワークショップの内容も面白そうで、分身できないのが悔しかったです。
では、イベントレポートをどうぞ!
イベントのオープニングセッションでは、株式会社コンセントの赤羽さんから、現代のサービスデザインに関する趣旨と概観が紹介されました。
このセッションでは「The Future of Service Design」と題された2020年のレポートを基に、サービスデザインがどのような立ち位置にあるのか、また他の領域からどのような影響を受けているのかについて詳しく説明がありました。
The Future of Service Design, Japanese Version
サービスデザインは文化人類学、デザイン思考、マーケティングなど、多岐にわたる分野からの影響を受け、多様な考え方を取り入れています。
このため、サービスデザイナーは、特定の専門分野に限定されるのではなく、さまざまな専門家を支援する役割を担っていると言えます。
サービスデザインのことが少しだけ理解できたところで続いてワークショップです。
このセッションでは、ODENという長期エンゲージメントツールを活用して、「所属する組織において、メンバーがどのようにすれば自立性を持って業務に取り組み、組織に貢献していけるか?」をテーマに探求しました。
ODEN-A design tool that aligns individual goals and organisational purpose-とは、メンバーのゴールとチームのミッション、組織のパーパスを繋ぐためのデザインツールです。本ツールは、ジョブアサインを通じて、メンバーの働くことに対する動機付けを強化し、チームや組織のエンゲージメントを高めることを目指しています。
引用: 個人が向かいたい方向と組織のパーパスを繋ぐためのデザインツール「ODEN」を作ってみた🍢
本来は長期的なエンゲージメントを醸成するものですが、今回はよりコンパクトにしてワークショップを行いました。
参加者は3人1組のチームを組み、それぞれが自身のモチベーションを引き出すトリガーを明らかにしました。
その後、メンバー間でトリガーを共有し互いのトリガーを活かした適材適所の役割を果たせるような業務アサインを検討しました。
実際の業務でも、この案件を担当してもらうことでメンバーが成長できるのか?メンバーにとってやりがいを感じられるのか?などを考えるシーンはあるのですが、なかなか難しいですね。
それでも、モチベーションのトリガーをフックにして会話をしながら検討することでお互いに納得感を持ってアサインをできたので、同じ悩みを抱えている方はぜひ活用してみてください。
ODENはMiroverseにも公開されているので、気になった方は下記のリンクをご覧ください。
お昼はケータリングを頂きました。 英気を養って次のワークショップです!
このセッションでは、スターバックスのアプリを事例にして「カスタマージャーニーマップなどの体験マップにどのようにデータの取得ポイントを接続すれば、サービスや製品の改善に結びつけうるか?」という問題に取り組みました。
ワークショップの準備段階として、参加者はスターバックスの「Mobile Order & Pay」機能を実際に使用し、その体験を基に改善提案を行うというものでした。
ちなみに、私はこの機能を利用したことがなかったので、お昼の時間に初めて利用してみたのですがすごく便利でした。
それだけに、改善点を考えるのはすごく難しかったです。
改善提案を検討するにあたり、カスタマージャーニーマップを利用しましたが、単に改善点を挙げるだけでなく、スターバックスが重視する価値観を基に、利用者だけでなく従業員の体験も考慮する必要がありました。
体験設計におけるデータの活用には主に二つの側面があります。
それぞれのデータの活用は、取得の仕方や有効性をもとに検討する必要がありますが、アイデアがより現実的なものになっていくのが楽しかったです。
画像は、実際に検討に活用したボードです。
6名程度のチームでそれぞれ意見を出し合いながら改善案を考えました。
私のチームで当初検討していた改善案は、現在の席の混み具合を可視化して店内利用か持ち帰りにするかを選びやすくするといったものでした。
しかし、スターバックスとして実現したいビジョンを意識してより店員とお客さんとのふれあいが発生する案に変更しました。
単にUXを良くするだけではなく、提供する側が大切にしているものやビジネスモデルを加味しながら考えられたことはとても学びになりました。
クロージングセッションでは、各ワークショップについての紹介や、ワークショップの雰囲気の共有などが行われました。
参加できなかったワークショップの内容にも触れられることができて良かったです。
最後に懇親会前のプレワークとして、「DONBURI」というエンゲージメントツールを利用してミニワークを行いました。
私はイベントで懇親会があっても、なかなか話しかけられずにそそくさと退散することが多いのですが、ミニワークをすることで懇親会にもスムーズに参加できました。
DONBURIもODEN同様Miroverseに公開されているので気になる人は是非活用してみてください。
DONBURI on Miroverse
懇親会では、クラフトビールもいただきました。
サービスデザインを扱ったイベントに参加するのは今回が初めてでしたが、ワークショップが多めで内容も凝っていたのでイベント自体の体験がすごく良かったです。
内容についても、社内ですぐに実践できそうなものでしたのでアレンジして実践してみようと思います。