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AWS BuilderCardsが楽しくて勉強になるという話[カード効果一覧あり]

作成者: shinichi.okimoto|2024年10月11日

概要

クラウドインテグレーション部クラウドソリューション1課の沖本です。

先日、JAWS-UG 千葉支部が主催するイベント、「AWS BuilderCards体験会」に参加してきました。

そこで体験したAWS BuilderCardsがとても楽しく、さらにAWSのサービスについて学べるコンテンツとしても素晴らしいと感じたため今回ブログで紹介します!

AWS BuilderCardsとは

AWS BuilderCardsについては、AWS公式サイトに掲載されている記事内の以下の部分がまとまっているので、引用します。

AWS BuilderCards は、Amazon Web Services が提供するクラウドサービスや、サービスを組み合わせたアーキテクチャを学べるカードゲームです。
サービスを組み合わせてアーキテクチャを構成する思想は、ビルディングブロックと呼ばれます。
AWS BuilderCards を通じて AWS が提供している数多くのサービスを組み合わせて「可用性が高く」、「柔軟性があり」、「拡張性のある」、「セキュリティが適用された」システムを作り上げる Well-Architected なアーキテクチャを学ぶことができます。

引用元:楽しみながら学べる AWS BuilderCards の遊び方、そして日本語化に込めた思い


ルールなどの遊び方は、先ほど引用した記事内や、JAWS-UG のみなさんが作成されたこちらのAWS BuilderCardsの遊び方_プレイガイド日本語版に非常に分かりやすく記載されているため、そちらをご覧ください。

ゲームの構造は「ドミニオン」というボードゲームに近いので、そちらをプレイ経験がある方はスムーズに始められるでしょう。(ただしAWSの簡単な知識は必要です。)

AWS BuilderCardsのおすすめポイント

・AWSサービス同士のつながりを楽しく学べる

AWS BuilderCardsでは、AWSサービスが書かれたカードの組み合わせを考えることでゲームを進めていきます。

各カードには明示的に効果が書かれているものもあり、たとえばAmazon AthenaはAmazon S3と組み合わせることで追加の効果が発動します。(詳細な効果はこちら
これはAmazon Athenaが、SQLクエリを実行するサービスであり、Amazon S3を対象とするのが一般的なユースケースであることが反映されています。

このように、ゲーム中のカードの組み合わせから実際のAWSサービス同士のつながりを学ぶことができる仕組みになっています。
さらに詳細な情報が知りたい場合には、カードに記載されているQRコードから公式ドキュメントをチェックすることも可能です。
至れり尽くせりですね!

また、上のAmazon AthenaとAmazon S3のようにカードに記載してあるもの以外の組み合わせも可能です。
その場合はゲームに参加しているメンバーで合意が得られるように説得すればOKとなります。

たとえば、AWS IAMのカードには特定のサービスは記載されていません。

しかし、Amazon EC2やAWS LambdaといったサービスとIAMが連携できることを説明できれば、それらのカードを組み合わせて使うことが可能です。

AWSに触れたことのある人であればIAMが非常に重要なサービスで、さまざまな他のサービスと連携可能ということはお分かりでしょうし、あまり経験がない人にとっては知識を振り返る良い機会にもなりますね!

他にも多くのサービスがゲームには登場するので、普段あまり使わないようなサービスについても
「へーこんなサービスと連携できるのか」
「このサービス同士は連携できるのかな?」
といった視点で能動的に興味が持てるようなゲームになっています。

そして、このような学びをゲームをしながら楽しく行えるというのが一番の強みであり、おすすめポイントだと感じました。

 

・AWS初心者から上級者まで楽しめる

AWS BuilderCardsは、AWSスキルレベルにかかわらず、誰もが楽しめるようなゲームになっています。

AWS初心者にとっては、ゲームを通してAWSの世界に触れ、基本的な知識を習得する絶好の機会だと思います。
カードの効果を通して自然とAWSサービスの役割や連携方法を学ぶことができるでしょう。

一方、AWS上級者にとっては、自身の知識を活かして戦略を練ったり、複雑なアーキテクチャを考えたりすることで、さらにスキルを伸ばすことができます。
それぞれの解釈や戦略をぶつけ合いながらゲームを進めることは、非常に刺激的で学びの多い体験になるはずです。

加えて、AWS BuilderCardsは初心者と上級者がわいわいと会話しながら進めることができるゲームです。
上にも書きましたが、各サービスの組み合わせは参加メンバーで合意が得られることで決まります。
その際には、「これは大丈夫」「この組み合わせは無理なのでは?」など技術的な会話が自然と生まれます。

これは、初心者にとっては上級者の話を聞くことができる貴重な機会となり、また上級者にとっては自身の知識を整理し、相手に分かりやすく伝える能力を養う絶好の機会になります。

先日私が参加した体験会でも、初めて会ったAWS歴も様々なメンバーだったにもかかわらず、AWSサービスについて自然と会話が盛り上がる場面がありました。

このように、練度の異なる参加者間でも楽しめる仕組みになっている点がおすすめポイントだと感じました。

カード効果一覧[2024年日本語版]

付録として利用するカードの一覧を表にまとめたものを記載します。
ぜひご活用ください!

Compute/Container

カード名 TCO AWSome 効果 関連カード
Amazon EC2 4 2 ①2枚の Amazon EC2 と組み合わせたとき、AWSome +3 Amazon EC2
      ②Amazon EC2 を3枚組み合わせた場合、購入回数 +1 かつ AWSome +4 Amazon EC2
AWS Lambda 1 1 なし  
Amazon ECS 2 2 Amazon EC2と組み合わせた場合、カードを一枚引く Amazon EC2
Amazon EKS 2 2 Amazon EC2と組み合わせた場合、カードを一枚引く Amazon EC2
AWS Fargate 1 0 ①Amazon ECS または Amazon EKS と組み合わせた場合、購入回数 +1 かつ AWSome +3 Amazon ECS
Amazon EKS
      ②単独では containers サービスとして組み合わせることはできない  
Amazon EC2 Autoscaling 1 0 ①Amazon EC2 と組み合わせた場合、AWSome +4 Amazon EC2
      ②Elastic Load Balancingと組み合わせた場合、カードを1枚引く かつ 購入回数 +1 Elastic Load Balancing

Storage

カード名 TCO AWSome 効果 関連カード
Amazon S3 1 2 ①AWS Lambda と組み合わせた場合、カードを1枚引く AWS Lambda
      ②analyticsサービスと組み合わせた場合、AWSome +2 Analytics
Amazon EFS 1 2 ①Amazon EC2 と組み合わせた場合、カードを1枚引く Amazon EC2
      ②AWS Fargate または AWS Lambda と組み合わせた場合、購入回数 +1 AWS Fargate
AWS Lambda

Database

カード名 TCO AWSome 効果 関連カード
Amazon RDS 2 2 ①compute/containers サービスと組み合わせた場合、AWSome +1 Compute/Container
      ②analytics サービスと組み合わせた場合、購入回数 +1 Analytics
Amazon Aurora 2 2 ①compute/containers サービスと組み合わせた場合、AWSome +2 Compute/Container
      ②analytics サービスと組み合わせた場合、購入回数 +1 Analytics
Amazon DynamoDB 1 2 ①compute/containers サービスとの全ての組み合わせに対して、AWSome +1 Compute/Container
      ②AWS Lambda が含まれる場合、カードを1枚引く AWS Lambda
Amazon ElastiCache 1 2 ①compute/containers サービスと組み合わせた場合、AWSome +2 Compute/Container
      ②Amazon RDS または Amazon Aurora と組み合わせた場合、カードを1枚引く Amazon RDS
Amazon Aurora

Analytics

カード名 TCO AWSome 効果 関連カード
Amazon Athena 1 1 Amazon S3 と組み合わせた場合、AWSome +3 Amazon S3
Amazon RedShift 2 3 ①Amazon Auroraと組み合わせた場合、購入回数 +1 Amazon Aurora
      ②Amazon S3 と組み合わせた場合、カードを1枚引く Amazon S3
Amazon Kinesis Data Firehose 1 2 ①Amazon S3 または Amazon RedShift と組み合わせた場合、購入回数 +1 Amazon S3
Amazon RedShift
      ②Amazon OpenSearch Service と組み合わせた場合、カードを1枚引く Amazon OpenSearch Service
Amazon Kinesis Data Streams 1 2 ①compute/containers サービスとの全ての組み合わせに対して、AWSome +1 Compute/Container
      ②Amazon Kinesis Data Firehose と組み合わせた場合、購入回数 +1 Amazon Kinesis Data Firehose
Amazon OpenSearch Service 2 2 ビルドしたアーキテクチャに含まれる(compute/containers)カード1枚につき AWSome +1を得る Compute/Container

Network & Content Delivery

カード名 TCO AWSome 効果 関連カード
Amazon VPC 1 2 カードを1枚引く  
AWS Route53 1 2 Amazon CloudFront,Amazon S3,Amazon API Gateway,Elastic Load Balancing のいずれかと組み合わせた場合、カードを1枚引く Amazon CloudFront
Amazon S3
Amazon API Gateway
Elastic Load Balancing
Amazon CloudFront 1 3 Elastic Load Balancing,Amazon EC2,Backend Service (Starter card)と組み合わせた場合、購入回数 +1 Elastic Load Balancing
Amazon EC2
      ②Amazon S3 と組み合わせた場合、カードを1枚引く Amazon S3
Elastic Load Balancing 1 2 compute/containers サービスと組み合わせた場合、AWSome +2 Compute/Container

Application Integration

カード名 TCO AWSome 効果 関連カード
Amazon EventBridge 1 2 ①どのAWSサービスとでも組み合わせた場合、AWsome +2  
      ②AWS Lambda と組み合わせた場合、AWSome +2 AWS Lambda
AWS Step Functions 1 2 AWS Lambda との組み合わせごとに AWSome +2 AWS Lambda
Amazon API Gateway 1 1 ①compute/containers サービスとの全ての組み合わせに対して、
 AWSome +1
Compute/Container
      ②AWS Lambda が含まれる場合、カードを1枚引く AWS Lambda
Amazon SNS 1 2 ①AWS Lambda と組み合わせた場合、AWSome +2 AWS Lambda
      ②Amazon SQS との組み合わせごとに、カードを1枚引く Amazon SQS
Amazon SQS 1 2 ①AWS Lambda と組み合わせた場合、AWSome +2 AWS Lambda
      ②2つの compute/containers サービスと組み合わせた場合、購入回数 +1 Compute/Container

Management & Governance

カード名 TCO AWSome 効果 関連カード
Amazon CloudWatch 1 2 ビルドした全てのアーキテクチャに含まれるカード枚数に対して AWSome +1 を得る  
AWS CloudTrail 1 2 ①Amazon OpenSearch Service を組み合わせた場合、カードを1枚引く Amazon OpenSearch Service
      ②Amazon Athena と組み合わせた場合、カードを1枚引く Amazon Athena
AWS CloudFormation 1 2 カードを1枚引く  
AWS Systems Manager 1 2 Amazon EC2 と組み合わせた場合、購入回数 +1 Amazon EC2
AWS Well-Architected Tool 2 1 Well-Architected Cardを1-Pointは AWSome 2、3-Pointは AWSome 6にて購入できる  

Security, Identity & Compliance

カード名 TCO AWSome 効果 関連カード
AWS IAM 1 1 カードを1枚引く  

Cloud financial management

カード名 TCO AWSome 効果 関連カード
AWS Cost Management 1 3 購入回数 +1 効果を使用後、このカードはリタイアする  

Developer tools

カード名 TCO AWSome 効果 関連カード
AWS CDK 1 2 カードを2枚引く AWS CDKのカードは1ターンに1枚のみ利用できる  

その他

カード名 TCO AWSome 効果 関連カード
AWS Marketplace 1 1 Amazon EC2 と組み合わせた場合、購入回数 +1 Amazon EC2

まとめ

AWS BuilderCardsは、AWSサービスの理解を深めながら、楽しみながら学習できる素晴らしいツールだと感じました。 AWS初心者から上級者まで、幅広い層が楽しめる点も非常に魅力的です。
今回のブログが、AWS BuilderCardsに興味を持つ方々の一助となれば幸いです。ぜひ、実際にプレイして、その魅力を体感してみてください。
冒頭でも紹介しましたが、JAWS-UG 千葉支部 では定期的に体験会が開催されていますので、そちらのチェックもおすすめします。
機会があればぜひ一緒にプレイしましょう!