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JSTQB認定テスト技術者資格 Foundation Level の勉強法 | AQ Tech Blog

作成者: teppei.hanai|2022年11月22日

本記事の目的

JSTQB認定テスト技術者資格 Foundation Levelの勉強方法や試験を受けた感想などをまとめることで、同じように試験を受けようと思っている人や、ソフトウェアテストに興味がある人に受験するメリットなどを紹介する。

想定読者

  • ソフトウェアテストに興味があり勉強を始めたい人
  • JSTQB認定テスト技術者資格 Foundation Levelの受験をしようと思っている人

JSTQB認定テスト技術者資格 Foundation Levelとは

JSTQBとは

JSTQBとは、日本におけるソフトウェアテスト技術者資格認定の運営組織で、 各国のテスト技術者認定組織が参加しているISTQB(International Software Testing Qualifications Board)の加盟組織として2005年4月に認定されています。 ISTQBの加盟組織の各国団体は資格および教育・訓練組織認証について相互認証を行っています。つまり、JSTQBが運営するソフトウェアテスト技術者資格は海外でも有効な資格となっています。

参考:JSTQBの概要

 

試験概要

JSTQB認定テスト技術者資格は大きく2つのレベルのテストがあります。

  • Advanced Level
  • Foundation Level

名前の通り、「Foundation Level」が基礎的なレベル「Advanced Level」が発展的なレベルの知識を問う試験となっています。

 

試験方法

これまでは夏と冬の年2回のテストが実施されていましたが、2022年10月からCBT※に移行されたことで 会場や試験日の幅が増え受験しやすくなっています。

CBT移行後も試験の出題範囲や、試験時間、問題数は変わっていません。

※CBTとは、Computer Based Testing(コンピュータ ベースド テスティング)」の略称で、コンピュータを使った試験方式のことです。

 

申し込み方法

ピアソン VUEでアカウント登録・試験予約が必要です。
 https://www.pearsonvue.co.jp/jstqb

1点申し込みの注意点として、アカウント登録しただけでは試験予約ができません。 「受験資格情報確認」から必要情報を入力すると、試験予約することが可能になります。

※注意事項として記載はありますが、私はよく読まずに試験予約しようとして予約ができずに焦りました。

受験した理由

以前参画していた案件に専属のQA(品質保証)エンジニアの方がいらっしゃいました。

当時の私はフロントエンドエンジニアとしての参画だったのですが、開発におけるソフトウェアテストの重要性やテスト実装のノウハウをその方に教えていただきました。

折角教えてもらった知識や経験をそのままにしてしまうのはもったいないと思い、体系的に学んで自分のスキルとして定着させようと思いました。

また、アジアクエストでも多くの案件において、より品質の高いものを提供していきたいという思いもありました。

試験前のスキル

ソフトウェアテストに関する知識は、正直ほとんどありませんでした。

案件で実施されるテストを倣ってそのまま実施する程度で、自らテストを計画したりテストに関して深く考えることは多くありませんでした。

学習時間

  • 期間:10月初旬〜10月末
  • 時間:30時間程度

使用した教材と学習法

使用した教材

 

 

 

学習法

 1. ソフトウェアテスト教科書を一通り読む

 時間:6時間〜9時間(各章1時間〜1.5時間程度<全6章>)

  • 内容を深く理解するというよりは単語に付箋を貼ることと、過去の自分の経験との紐付けを意識してまずは流し読みをしました。
  • 分からない単語で説明がないものに関してはその場で調べました。
  • 今後の案件で必要になりそうな内容や覚えておきたいことなどについては、罫線を引いて振り返りやすくしました。

 

 2. シラバスを読む

 時間:6時間(各章1時間程度<全6章>)

  • 内容的にはソフトウェアテスト教科書で触れていたので、表現の仕方であったりそれぞれの考え方。例えばテストプロセスとテストレベルの関係性などを意識して読みました。
  • 2.3.5 テストタイプとテストレベルに書かれていた具体例はすごく理解しやすかったです。

 

 3. 模試問題を解く

 時間:3時間程度

  • テス友を利用して、自分の知識習得度を測りました。
  • 20問をランダムで出題する設定で取り組みました。
  • この時点では平均で70点ほどでした。

 

 4. 再度ソフトウェアテスト教科書を読む

 時間:6時間(各章1時間程度<全6章>)

  • 改めてソフトウェアテスト教科書を読むことで曖昧だった部分を理解するようにしました。
  • 模擬問題を受けている時は、こんな内容書いてあったかなぁと思うシーンもありましたがちゃんと書いてありました。

 

 5. 試験当日までひたすら模試問題

  • テストの雰囲気に慣れるためにも、当日までは模試問題を解いていました。
  • 最終的には平均で80点くらいでした。

 

試験当日について

当日は最後の追い込みをかけたかったので、午後2時からの試験を申し込みました。
静的テストの基本に倣って、当日気をつけたこと(気をつけた方が良いこと)をチェックリストにしてみました。 受験の動的テストは難しいですからね。

 

  • 少し早めに試験会場へ行く

これは私の場合だけかもしれませんが、受付が混雑して中々受付できない場合があります。
余裕を持って早めの到着をしておくと安心です。
私は25分ほど前に到着しました。

 

  • 耳栓の有無を確認する

これも私の場合だけかもしれませんが、試験は多くの場合PCが横並びになっています。
隣で全然違う試験を受けている方がいる場合もあるので、周りの音で集中できない場合などのために耳栓を利用するのも良いかと思います。
試験会場に用意されている場合があるので、確認してみると良いです。

 

  • メモを使う

Foundation Levelでは動的テストに関する問題で、表や境界値などを考えるシーンがあります。
頭の中でイメージしてもいいのですが、実際にメモに書いてみるときちんと整理されて問題を理解しやすくなると思います。

 

  • 時間配分に気を付ける

試験には事前同意とアンケート回答の時間が試験時間とは別で設けられています。
これらの時間は試験時間(Foundation Levelであれば60分)とは別で取られているので試験時間は有効活用するといいかなと思います。

 

  • CBTでの受験の特徴を理解する

これまでCBTでの受験をされなかった人向けですが、各問題に「あとで見返す」というフラグをつけることができます。
問題を全て回答した後は、あとで見返すというフラグを一覧で確認できるので、悩んだ問題はフラグを有効活用するといいかなと思います。

受験の感想

シラバスに書かれている内容は初見のものも多かったですが日々のシステム開発の中で意識している内容もあり、頭に入ってきやすかったです。 逆に言えばとても実践的な内容を勉強できました。

特に、ソフトウェアテストの7つの原則についてはテストと向き合うにあたって共通の考え方を身につけることができました。

テストの一般原則について、原則そのものを覚えることよりも、実際のテストの現場で何が起こってしまうのか、イメージして理解することが大切です。

参考:ソフトウェアテスト教科書 JSTQB Foundation 第4版 シラバス2018対応

と、あるように自分がテストを作成する際などを具体的にイメージすると覚えやすいですし、詳細は覚えなくとも感覚で理解しておくことが大切だなと感じました。

また、テストを作成する際に必要なドキュメントとテスト作業成果物を追跡可能な状態にするというトレーサビリティの観点については、これまであまり意識していませんでした。 ドキュメントのメンテナンスや履歴管理の観点からもとても有用であると感じたので今後の案件では積極的に実践していきたいです。

試験の結果は1週間ほどで確認できるようになりました。 試験の結果はもちろん大切ですが、学んだことをしっかりと日々の業務に活かしていきたいです。